私は中学2年生の頃、日本テレビ深夜に放送していた全日本プロレスを見ていた。それまでプロレスには興味はなく、深夜の暇つぶしで見ていただけだったのに、グリーンパンツの彼が凄く素敵なレスラーだということは素人目にもすぐ分かった。でも私には、オレンジパンツのレスラーの方が魅力的に映った。何か「不完全なもの」を感じたからだ。でも、グリーンパンツの彼には、そういう危うい魅力を感じなかった。
完璧すぎたのだ。
全てにおいて完璧すぎた。
だから、私は安心していた。病気も怪我も事故も、彼の完璧さが全て跳ね除けてくれるものと勝手に思っていた。
レスラーとして、リング上での死がどの様な意味があるのか全然分からない。でも、彼には似合わない。
そんなの似合わない。社長として、ひとりの社会人としてもっと長生きして欲しかった。
「ご冥福をお祈りします」という言葉は、宗教的に問題あるとかないとか聞いたようなことがある。いや、本で読んだのかな。まぁ宗教とか社会儀礼とか正直どうでもいいが、その言葉をテレビなんかで聞いたりすると、なんだか気持ち悪くなる。